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2024.04.15

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静かに流れて広がるように、リョウン



壮健な体格に鮮明な顔立ち。そして柔らかな低音ボイスを聞き、リョウンにおおらかな役が与えられるのかが分かった。インタビューで感じたまっすぐな性格と度々登場する責任感という単語は、俳優と演じるキャラクターを同一視することを愚かに思わせた。「輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた~」でリョウンは、聾者の両親の手話通訳をしながら早く大人になった’CODA’少年ハ・ウンギョルに扮した。演技をする時も「大げさになりすぎないように気を付けながら、基本に忠実にやろう」という信念を守ったおかげで、ウンギョルを最後まで感情を浪費しない節制されたキャラクターとして維持することができ、2023年から1995年にタイムスリップして若い頃の父親に会うという物語が中途半端に見えないように、ドラマの中心を掴む役割もやり遂げることができた。同世代の俳優達にはなかなか見られない慎重さが武器になるが、やや退屈に見えないか心配したリョウンは、自身のかわいらしい一面をそっとアピールした。「冗談を言うタイプだ!(笑)作品が終わる毎に残る後遺症を、コンピューターのように初期化機能があったらいいなという突拍子もない想像をしたりもする。」

端麗なビジュアルのせいで時にはアイドル出身俳優という誤ったタイトルがつくこともあるリョウンは、16歳から17歳になる頃、叔母が見せてくれたミュージカル『キャッツ』に心を完全に奪われ演技の夢を持った。「『キャッツ」の最初のナンバーが流れたとき、思わず涙が出るほど新鮮な衝撃を受けた」全州の高校生は、ちょうど演技学校に通っていた友達についていき演技を始めて、俳優になった未来の自分をよく想像していた。演技を専攻してソウルでの暮らしを始めた後、オーディションに落ち続けたが生まれ持った根性と「いつか俳優になるという自己暗示」で耐えた結果、2017年「愛の温度」でデビューした。その後「18アゲイン」「人生最高の贈り物~ようこそ、サムグァンハウスへ~」「悪の心を読む者たち」で息子役や青年役で活躍し「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」で主演の座についた。比重がどれだけ大きくなろうが平常心を維持することに関心を注ぐ、というこの若い俳優はいつも歩きながら心をしずめるという。「頭の中が綺麗に空っぽになる感じが好き」で、歩くことを一生の趣味にしようと思っている。昨年末、リョウンは「弱いヒーロー Class2」に合流し、再び制服を着た。「大切な友達の為なら一肌脱ぐこともいとわない正義感のあるしっかりとしたパク・フミン役」を演じ、固有の強みを発揮する予定だ。考え事が多く慎重な性格が嫌いではないが、いつかはこの固い枠組みを壊そうと演劇の舞台に立つことが夢だ。「様々な試みをしながら長い間’開かれている演技’をしたい。大きな目標を立てるよりは、一日一日に忠実に毎日少しずつ良くなっていく自分に向き合うことが目標だ。」



挑戦してみたいキャラクター
「ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス) 『ジョン・ウィック』シリーズを見て多彩で華やかなアクションに一度驚き、孤独な殺し屋がもつ魅力に二度驚いた。いつかそのようなアクションヒーローのキャラクターが登場するシリーズをリードしてみたい。」

自分だけのプレイリスト
「The Commodoresの’Easy’ 父が作曲もするギタリストだった。いつもカセットテープとCDでオールドポップをたくさん聞かせてくれたおかげで、僕の音楽の好みも父親世代の音楽でとどまっている。」




写真提供:CINE21.com
出処:CINE21.com